皆さんこんにちは。iO管理人のRyota(Twitter)です。
今回は、僕の相棒として半年ほど動作不良なく好調に稼働してくれているオーディオインターフェースであるAudient iD4mkIIの開封レビューを投稿します。
当方音楽の専門家、という訳ではないため、詳細なレビュー等は難しいですが、素人が率直に感じたファーストインプレッションとして参考にしていただければ幸いです。
Audient iD4mkII
・これは何?
バスパワーのオーディオインターフェース
・ここすき
同価格帯では最高性能の出力
JFET採用の強い楽器入力
優秀なマイクプリ
・うーん
24-bit/96kHz(正直十分スペック)
・総評 ⭐⭐⭐⭐⭐️
星5・とてもオススメ
【更新情報】
2022/5/23に、最新の情報に更新しております。
Contents
開封の儀
コンパクトな箱にて届きました。
Audient社は英国のレコーディング機器ブランドですが、正規輸入代理店としてオールアクセスインターナショナル株式会社がサポート体制を敷いてくれているため、日本のユーザーも安心です。
内容物
付属品としては最低限。
マニュアル類に本体、右下はUSB-Cケーブルです。
本体
良い意味でオーディオインターフェース「らしからぬ」ミニマルでモダンなデザインです。
前モデルであるid4と比較して操作系は大きな変更がありませんが、より洗練されたデザインに進化しています。
前面
楽器用入力(左)
主に楽器等のライン入力を行う前面の端子です。
入力端子は、JFETを使用したクラス A /ディスクリート・ デザインの楽器用入力です。クラシックな真空管アンプの入力部分をベースにデザインされたこのD.I入力は、リッチなハーモニクスを含んだサウンドを実現します。また、D.I入力はマイク・プリアンプ入力と独立したチャンネルなので、例えば歌いながらギターを弾き、同時に録音する事も可能です。
代理店公式より
このJFET(接合型電界効果トランジスタ)というのがミソで、この設計は真空管アンプの入力段にも頻繁に使用される回路で構成されているため、通常の入力よりもファットな倍音成分を含んだサウンドになります。
同価格帯のオーディオインターフェースの中でも、JFET端子を採用しているのはiD4mkIIだけなので、楽器奏者である私からするととても推せるポイントになります。
特に宅録ライン録りの安心感が違います。
ヘッドフォン出力(右)
ステレオミニと標準のジャックに対応したデュアルヘッドホン仕様です。
600Ωのハイ・インピーダンス・ヘッドフォンを駆動することができる、強力なディスクリート高電流型ヘッドフォン・アンプを搭載しており、ダイナミックレンジも125.5dB(A-特性負荷)と、これも同価格帯で最高の数値。
私自身、AKG K712という大型の開放型ヘッドホンを愛用しているので、強い出力には安心感があります。
背面
背面は主にUSBの入力と、2OUT、ファンタム電源に対応したマイク/ラインジャックがあります。
iD4mkIIのマイクプリですが、スタジオコンソールであるASP8024 Heritage Editionと同じディスクリート Class-A 回路を採用しており、明瞭でノイズレスなサウンドが録音できるとのこと。
マイク入力の音も同価格帯ではトップクラスではないでしょうか。
半年使用してみての使用感
では、簡単に使用感をば
ハイボルテージモードでの使用が◎
本機は接続がUSB-Cなのですが、その規格を活用ている様子で、5VDC/1.5Aの電源を供給できる環境を確保してやるとハイボルテージモードに切り替わります。
主に出力まわりが強化され、よりサウンドがパワフルかつ濃くなる印象です。
サウンドクオリティも十分
アマチュアの身で最近は音楽活動もなかなか難しく、もっぱらリスニング目的で使用していますが、二万円台であることを考慮しなくとも十分良い音がなります。
ニュートラルでありながら少し温かみがある音のように感じています。
トータルでの完成度が高い様子で、特にこれらしい欠点もなさそう。
ただし、値段が倍以上変わる高級機と比較するとやはり解像度などではクオリティが下がる印象ではありますが、何よりバスパワー、USB-C一本でセッティングが完結する手軽さに20000円のコスパであれば非常に良い音と言えます。
なんでiD4mkIIは96kHzまでなの?
きっとこんなことを疑問に思う方は相当な音楽好きとお見受けしますが、
これに関しては、DTM STATIONさんが面白い指摘をしていました。
でも、ちょっと引っかかるのは、最大サンプリングレートが96kHzであるということ。最近の安いオーディオインターフェイスでも192kHzに対応しているのに、どうしてiD14も新機種のiD14 mkIIも96kHzなんだろう……、と。この点について、国内代理店を通じて、イギリス本社にあるaudientに問い合わせてみたところ、以下のような返事がありました。
iD14mkIIに採用されているADAコンバーターは、384kHzのサンプリングまで対応していますので、192kHzに対応させることは可能です。しかし、我々が可聴範囲のオーディオ用にデザインすると、実際に最適なサンプリングレートは60kHz辺りになり、もう少し広い周波数帯域に対応するためには、88.2/96kHzが最も最適なサンプリング周波数になります。
DTM STATIONより
とのこと。こうした回答とともに、192kHzなどサンプリングレートを高くすることに功罪に関して、2012年に書かれたという英語の長い論文も送られてきており、実際にUSBオーディオインターフェイスとして設計する上では、96kHzが最適であり、192kHzにこだわる必要はないということのようでした。
つまり、人間の可聴領域を大幅に超えるサンプリング周波数を採用しても、寧ろかえって音質の低下につながるという指摘があることから、96kHz / 24bitに設定しているとのこと。
近年のハイレゾ祭りに関する見解は人それぞれなので深堀はしませんが、概ね僕自身も同意見だったりします。
MacBookでの動作は非常に安定してる
写真の通り、私はMacBookAir(M1)を使用しています。
主にドッキングステーションに接続して母艦としても使用していますが、これといったトラブルは全くありませんでした。
動作も非常に安定しており、トラブルは今のところ全くありません。
まとめ
今回オーディオインターフェースを新調するにあたって、注目機種である同価格帯のMOTU M2やSolid State Logic(SSL) SSL2+なども検討しましたが、これら2機種と比較して
- 高いダイナミックレンジ
- JFETのD.I.
- 机上においても違和感のないデザイン
これらの点においてAudient iD4mkIIが魅力的に感じられたので、この機種を選びました。
購入から半年が経過しましたが、とても満足しています。