皆さんこんにちは。iOtaku管理人のRyota(@iOtaku_R|Twitter)です。
最近、Apple Musicのハイレゾ・ロスレス配信が始まりました。
Apple Music派としては喜ばしい限りです。
Apple Digital Master時代からの独自アルゴリズムによるマスタリングデータの蓄積の結果、従来(Apple Digital Masterにて)配信されていた楽曲がそのままロスレス配信に切り替わり、中にはそのままハイレゾ配信にも対応した楽曲も出現しました。
設定を切り替えるだけでライブラリーの楽曲が高音質になるというのは、時代の進化を感じます。
そこで今回は、来たるハイレゾロスレス配信時代に備えて、手軽に高音質を楽しめる小型DACを購入。
小型機と侮っていましたが、大型のヘッドホンも駆動できる安定感とパフォーマンスがありました。
以下、実際に使用してみてのレビューです。
Astell&Kern PEE51
・これは何?
ポータブルDAC
・価格
・ここすき
Astell&Kernの名に相応しい陰影のあるデザイン
AKG K712を十分駆動できる出力
デュアルDACによる歪みの少ないクリアなサウンド
・うーん
そこそこ熱くなる(熱いお茶程度)
・総評 ⭐⭐⭐⭐⭐️
星5・とてもオススメ
【更新情報】
2024/08/31に、最新の情報に更新しました。
Contents
開封の儀
コンパクトですが、高級感のあるパッケージでした。
いざ開封。
徹底して世界観を守るべく、説明書まで真っ黒。
質のいい厚紙で、本製品へのこだわりを感じられます。
Astell&Kern PEE51 外観レビュー
それでは、本体にフォーカスを当てていきます。
質感がとてもいいですね。
ハウジングにはAstell&Kernのブランドデザインコンセプトである光と影を反映したデザインを施したフルメタルハウジングを採用しています。
Astell&Kern公式より
Astell&Kernの製品には共通しているデザインコンセプトである光と影。
光と影を反省したデザインと言われると大層に感じますが、実際に製品を手に取ると確かに納得できます。
Astell&Kernが小型DACを手がけると聞き、どのようにデザインに落とし込んでくるか見ものでしたが、これには感服させられました。
本体
華美過ぎず、弱気でもない。
他のオーディオメーカーが発売しているDACとは一線を画す美しいデザインです。
角度と反射によって違う顔を見せてくれ、所有欲を満たしてくれます。
採用パーツ
USB-C端子側にはCirrus LogicのDACチップ「CS43198」を2機搭載。
384kHz/32bitのPCM、DSD 256までのネイティブ再生に対応しています。
写真下部の大きい部分に2機搭載されたアナログアンプ搭載。所謂「分離型」です。
ケーブル部
ケーブル部にはテクノーラアラミド繊維製の中心芯に、銀メッキ銅線と銅線4芯ケーブルを独自開発。
アラミド繊維で補強されており最大200Nの引張力に耐えるとのこと。
DAC部とアンプ部がセパレートになっている製品は、中間のケーブルの作りによって取り回しの気軽さが大きく変わります。
この造り込みはありがたい。
性能面
MacBook Air(M1)上では、最大で384kHz/32bitまでの再生にちゃんと対応。
現行のほとんどの音源はスペック上十分に鳴らせるでしょう。
SPEC
参考用に音質レビューの前にスペックシートを掲載しておきます。
Astell&Kern PEE51 音質レビュー
主にAKG K712(cable:OYAIDE HPSC-X35)とie40proで試してみます。
再生機器はMacBook Air(M1)、音源は主にハイレゾロスレス音源を聞いてみます。
簡単なレビューとしては、正確で広めの空間表現。淡白でモニター寄りのフラットな音色。低域から高域まで満遍なく十分に鳴る優等生といった具合です。
優れたS/N比と分離感に由来する透明感のあるサウンド
小型であり、外部電源供給型であることも鑑みて、最初は大きなヘッドホンを鳴らすだけの駆動力は期待していませんでした。
ですが、駆動力も十分。64ΩのK712が十分鳴らせました。
逆に言えば、抵抗が100Ωを超えるようなハイインターピースヘッドホンなどはもうひと頑張り必要かもしれません。
ボリュームを上げても細部が潰れるような歪み感がほとんどなく、静音の表現も良い。(ホワイトノイズがほとんどない)また低域から高域まで原音をしっかり、美しく鳴らすだけの実力があります。
またie40proで試すと、抵抗効率の良さから元気なサウンドを聞かせてくれます。ホワイトノイズも少なく、楽器数が少ない楽曲でも安心して聴くことができます。
先ほどモニター寄りと表現しましたが、AKらしさのある人の声の帯域に艶を出してくれるようなチューニングが感じられます。
空間表現は正確で広め。AKGとの相性がいい
K712と組み合わせると、広い音場と正確な空間表現で、 K712の開放型としての長所をより一層引き立ててくれる鳴り方をします。
Cirrus LogicのDACチップ「CS43198」といえば、プロの音楽制作現場で用いられる「超」高級機であるANTELOPE AUDIOのAmariと同じチップです。
もちろんAmariはDACを8つも搭載する変態仕様なので比較は酷です。ですが、業界の上位機種にも採用されているチップが載っているのは特筆すべき点でしょう。
また、偶然にも僕がメインで使用しているオーディオインターフェースであるaudient iD4mkIIとも同じDAC。
iD4mk2と比較してみると、PEE51の方が音場が広いように感じました。デュアルDACの恩恵でしょうか。
発熱は許容範囲内
外付けのDACにつきまとう「発熱問題」ですが、チップが省電力性に優れた「CS43198」であることもプラスに働き、実際に数時間仕様しても手で持てる程度の発熱でした。
ボディが亜鉛合金であることも、放熱性に対しメリットとして働いている様子です。
PEE51はiPhoneでも十分使用可能
Astell&Kern PEE51 & ddHiFi tc28iでの運用
公式にiPhoneに対応していると記述はありませんが、変換アダプターを挟んでやると十分使用可能でした。
どうやらMFi認証を取得していないだけで、理論上はフツーに動く様子。
目立った発熱や動作の不安定さも皆無で、とても気軽に音楽を楽しめるため素敵です。
ちなみに使用しているOTCアダプターは、ddHifi TC28iというものです。
品質、質感共に非常に好印象な製品ですが、個人輸入の必要があるため入手がやや億劫。
代案として現在であれば、ヨドバシカメラ等でも取り扱いのあるAudirectのOTGアダプターが良さげです。
まとめ
手軽にいい音が楽しめる時代だからこそ、手軽にいい音を出してくれる機材のニーズが高まるように感じます。そんな中でも、端子に直接接続することで普通の変換のように気軽に使用できるDACはとても便利。
値段に見合うだけの優れた性能を持っていました。加えて見た目がとても良い。お気に入りです。